医療におけるファクタリングは診療報酬債権を担保にお金を借りるようなものと考えられるものですが、通常の売掛債権とは異なり債権の相手が健康保険機関であるということでその信頼性が高いということから、一般の売掛債権のものにくらべ手数料が少なく、効率よく現金が手に入れられるというメリットがあります。その為、開業直後で資金繰りに苦しむ病院や、経営状態が芳しくない病院などではファクタリングに頼ることが多いのですが、これには意外な落とし穴があることを忘れてはいけません。それは、ファクタリングはあくまでも借金をするのと同じことだということです。診療報酬債権を相手に渡してしまうので直接支払うということが無いためあまり意識しないことが多いのですが、本来現金が入手できるはずである健康保険機関の支払日にはその現金がファクタリング事業者に渡るため、病院側には入らないことが多いのです。
そのため現金を先取りするということになり、その後のキャッシュフローに大きな影響を与えてしまうことになります。そのため再度利用することとなり、現金の先取りを常に続けなくてはいけなくなるのです。これは借金で言えば借りては返しという自転車操業状態と同じ状態となるためさらに大きな出費が発生したときに身動きが取れなくなってしまい、倒産の危険に陥ることになります。ファクタリングを利用しているということは借金をしているのだという感覚を持って、早期に元の状態に戻すよう努力することが重要です。