ファクタリングとは継続的な取引関係にある債権者と債務者の売掛金債権を、ファクタリング会社（仲介会社）が金銭の収支を支援する融資サービスです。従来期限到来前の約束手形について商事会社が、利息相当分を割り引いた価格で裏書譲渡を受ける一方で、手形券面額を手形発行者から回収して利益を得る、という方法で融資が行われてきました。しかし景気低迷期が長引いた影響もあって、手形発行額は減少の一途を辿っています。ファクタリング利用のメリットは債権者側からみれば、期限到来前に債権を現金化し資金需要を機動的に対処できることです。
特段の物的担保ももたない中小業者にとって手形割引にかわる、資金調達手段として認識利用されています。債務者側からすれば支払先が変更されるだけで、取引先の運転資金融通環境が好転することで、倒産リスクも回避できます。問題になるのは売掛金の債権者の信用状態を仲介会社が的確に査定できるかどうかにかかってきます。その観点で言うと、この融資方法が有効なのは将来的にも継続して債権が発生することを予見できる業種、例えばクリニックなどの診療報酬債権が適正があるといえます。
クリニックなどでは医療機器の更新などである程度の設備投資を将来の診療需要を取り込むために不可欠な側面があるので、資金需要が旺盛な一方で在来型の融資手段では資金確保が困難な場合であっても、必要な資金を確保できる方途が用意されていることになります。ファクタリングを使えば、不動産などのめぼしい担保物件が手近にない場合でも運転資金を捻出する上で現実的選択肢が新たに登場したことになります。