企業が、資金調達を行う場合に用いる方法の1つにファクタリングがあります。仕組みとしては、ファクタリング会社が、企業が保有している売掛金の買取をし、その対価として企業に資金を提供する内容となります。ファクタリングが対象とする売掛金としてには様々なものがあり、例えば、医療機関における、診療報酬債権、介護給付費、自立支援給付費等も買取が行われます。この場合、具体的には、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金等から支払われる、診療報酬や介護給付付き債権が買取られることになります。
医療機関においては、通常、診療報酬や介護給付費等の入金に関しては、請求から支払いまで約2ヵ月程度かかることになり、ここでは、ファクタリングを利用することで早期資金化をすることが可能となり、運転資金を始めとしての資金需要に対応することができるようになります。利用では、企業全般に対してメリットがあり、その内容としては、まず、キャッシュフローの改善があります。買取における債権譲渡は、企業の必要資金に応じて行うことができ、回収期日まで現金化できない債権を期日前に資金として活用することができます。2つ目としてはバランスシートのスリム化があり、償還請求権無しで譲渡は行われるために、負債に計上する必要も無くなります。
3つ目としては不良債権への処理があります。万が一、譲渡された債権が回収不能となっても譲渡企業に支払義務が生じることは無く、この場合、そのリスクはファクタリング会社が負うことになります。